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第十一話「停電、復活吸血鬼」
あの後私はなんとか体を立ちあがらせネギ君達と合流を果たし、お互いの結果を話し合った。
私達はエヴァちゃんを取り逃がしたと言うと、アスナ達はどうも気が乗らず途中で戦いの矛を収めてしまったらしい。
つまり、どっちとも予想していた結果とは違い。
間違えば寮のみんなに迷惑をかけるかもれない状況に陥ってしまった。
私達は一時疲れた体を癒すため寮に戻り、明日今後の予定を話し合うということに落ち着きみんな就寝した。
「フウッ、どうしてだろ・・・なんだがか体がとても重い。」
その日私はさっきの戦いのダメージが大きかったのか体はベットに横になると再び動き出すことはなく深い眠りに陥ってしまった。
「ここは、どこ?」
私は気がつくと知らない草原にたった一人で立たずんでいた。
確か、私は寮に戻って寝ていたはずなんだが。
頭でそう考えるとおのずと答えがでてくる。
簡単なことだこれはつまり・・・
「ええ、あなたの夢でもあるわね海里。」
私がここが夢だと気がついたとき後ろから聞き覚えのある声がする。
「誰?」
私はゆっくりと声のした方に振りかえり、声の持ち主の姿を見る。
そこには、どこかで見たような顔つきの女の子が立っている。
髪の毛は綺麗な純白、ショートカットで片方の髪を結んでいる。
顔つきはりりしい顔つきでなんか男勝りなような気がする。
瞳は綺麗な蒼。
そして服は麻帆良学園の制服をきている。
「アレ?」
私はこの子をどこかで見た事がある。
クラスの子だったか? いや違う、クラスメンバーに白髪の子なんていない。
たけど私はこの子を知っている。
いや、知っているという感じではなくいつも見ている?
私が困惑していることに気がついたのか彼女は嫌嫌しく私の顔を見つめてくる。
「そう、海里。 忘れちゃっているのね。」
残念だわ。 と彼女は言い捨てるとポケットからカードを取りだしこう言う。
「あなたはまだここに来るのは早すぎだったみたいね。」
「え?」
私は彼女の言っていることを理解できない。
何を私は忘れているというのか?
彼女は更に困惑している私の顔を見て表情が険しくなっている。
そして、彼女は口を開きこう言う。
「アデアット。」
そう言うと、彼女の体は光に包まれていく。
「あ・・・。」
光が引いていくと彼女の両腕には光の輪が浮かんでいた。
アレ? 私はこの光景を知っている。
それはどこだったか、頭にモヤがかかったみたいに思い出せない。
「さよなら、あなたが見ているのは「一番近くて、一番見えないもの」なのよ。」
彼女はそう言うと腕に浮いている光の輪を外しそれを私に投げつける。
「行け!! チャクラム!! そしてバイバイ。」
その光の輪は私の体にめり込む。
「ガッ!!」
私はその物凄い衝撃と共に深い闇へと落ちていった。
意識が消える瞬間、白髪のショートカットの少女は寂しそうな顔でこちらを見つめていた。
「うーん、よく寝たー!!」
心地よい目覚め、私は体を起こし背伸びをする。
何か妙な夢を見た気がするが思い出せそうにない。
「まあ、いっか。 顔でもあらおっと。」
私はベットから降り、洗面台へと向かう。
蛇口をひねり、水が溢れ出す。
私はなんか頭から水を被りたい気分になったので蛇口のしたに頭を入れた。
「うひゃーーー!! つめたーい!! けど、気持ちいい!!」
大体10秒ぐらい水の中に頭を突っ込んで顔を上げる。
ずぶ濡れの顔を上げつつタオルで髪を拭いていると、目の前に私の顔が鏡に映っている。
自分で言うのもなんだが、綺麗な純白の髪に透きわたる蒼い瞳。
あれ? なんか、へんに引っかかる気がする。
ボケーっと鏡に映る自分を見つめていると、部屋の扉が閉まる音と共に木乃香の声が聞こえる。
「ただいまー。」
私はその声を聞くと、変な考え事はやめ木乃香に「おかえりー。」とリビングに出ていった。
すると、今日はネギ君とアスナはどっかに出かけているらしく二人で昼食をとり久々に普通の休みの日々をおくった。
アスナとネギ君は翌日に帰ってきた。
昨晩はいくらなんでも遅いので心配していたのだが、アスナもついているので明日まで様子を見ることにしたのだが。
朝に帰ってきたので木乃香は妙な勘違いをしているのか顔を赤くしてキャーキャーいっている。
まあ、本人達に話しを聞けばエヴァちゃん達の掃討戦に失敗して話し合いをしていたのらしいのだが。(私は寝てた。)
カモがここのみんなに迷惑がかからないといいのだがと、言ってネギ君を追い詰めてしまい。
そのままネギ君は寮を飛び出してしまったというわけだ。
それで、丸一日森の中をさ迷っていただと。
結果原因を作ったカモは簀巻きにして吊るしておくことにして。
「さて、今のところは動きも無いし。 停電の準備でもしようか。」
私は立ちあがりアスナ達に提案をする。
「あー、そういえばそうだったわねー。」
アスナも思い出したかのように、立ちあがり買い物へと出ていった。
夜、そろそろ停電になる頃かな、と思いつつ私達はもう布団に入っていた。
私達はアスナのバイトの関係でほかの部屋より早く寝るクセがある。
今日もその予定だったので、あんまり買い物に行ったかいはなかった。
まあ、電池やライターを買うだけだったのだが。
私はそんな事を考えつつ眠ろうとしていた時、不意にカモの声が聞こえた。
「姉さん達ーー!! た、大変だーーー!!」
「「どうしたの!?」」
アスナと私はカモの声がただ事ではないと気づき飛び起き話しを聞く。
カモは珍しく息を切らしていてゼーゼーといっている。
「た、大変なんだよ!! あ、兄貴が!! エヴァの奴の挑発にのって一人で行っちまった!!」
「なんですって!?」
「ええっ!?」
流石にそれはマズイ、いくらネギ君でもたった一人では。
しかもわざわざ挑発をしたということは完璧な罠だ!!
「それも、なぜだか知らないがエヴァのやつの魔力が戻っているらしいんだよ!!」
カモは目をグルグルにして言っている。
アスナはカモを頭にのせ駆け出す。
「カモ!! 場所を教えて!!」
私もその跡を追いかける。
しばらく走った後、目の前に何やらヌイグルミが散乱して居場所があった。
私達はそれをみると立ち止まる。
「どうおもう、海里?」
アスナが道一面に広がるヌイグルミを見て言う。
「十中八苦、罠ね。」
私がそう言いきると、ヌイグルミ達が空中に浮かびだす。
その状態を見ているアスナは絶句して振るえている。
この場合は・・・しかたがないか。
私は覚悟を決めて、アスナの前に立つ。
「か、海里?」
アスナが不思議そうな声を上げる。
私はそれを遮るかのように。
「いきなさい!! アスナ!! カモ!! ここは私が引きつけるわ!!」
そう言うと、私はヌイグルミの群れへ飛びこむ。
後方からアスナが叫ぶ声が聞こえたがカモの叫ぶ声と共にその声は遠ざかっていった。
ヌイグルミはなぜか空中で止まっていた。
まるでアスナ達を見逃すかのように、するとヌイグルミの奥から変な人形が現われる。
茶々丸さんを小さくしたような感じで、手には物騒な刃物を両手に握っていた。
するとその人形は手を上に上げると他のヌイグルミ達が光だし、そのヌイグルミ達の手にはカッターやナイフなどが握られてる。
「ケケケケ、オ前ガ御主人ヲボコボコニシタ奴ダナ。」
その人形は口を開き喋りだした。
「アノ二人ハ御主人ト茶々丸ガ殺ッチマウヨ。 コッチハ、オ前ノ始末ダ。」
不気味に笑う人形、そしてじわりじわりと近寄るヌイグルミ達。
さて、こうなればあれを使うしかないか。
「ふんっ、人形にやられる趣味なんてないわよ!!」
私がそう言いきるとポケットからカードを取り出す。
それを阻止するかのように人形は声をだし、ヌイグルミ達に命令する。
「ヤッチマイナ!!」
「アデアット!!」
私と人形の声が重なり私の戦いは月夜の明かりの中で始まった。
第十一話「停電、復活吸血鬼」完